最近ニュースサイトなどを読んでいると、「日本を脱出して海外就職を目指す若者が急増」というようなタイトルの記事をよく目にします。
私も海外在住で現地採用として働いているので、いつもこのようなタイトルの記事を目にすると気になって読みます。
このような記事が出始めた当初はどちらかというと「低賃金の日本ではなく、同じような職種についても賃金が高い欧米諸国への海外就職を目指す」という、賃金格差が主な問題でしたが、最近では「日本の労働環境に嫌気が差して、よりワークライフバランスが取れやすい海外への就職を目指す」という人が増えてきているようです。
参考サイト:
なぜ彼らは日本を「捨てる」のか? 海外就職を目指す若者たちの本音 | 時代遅れの労働文化に囚われて | クーリエ・ジャポン
「賃金格差の問題」や、「ワークライフバランスを重視したい」という視点から考えると、賃金の面に関してタイ就職は当てはまっていませんし、後者の方でもタイは当てはまっていないような気もしますが、せっかくなので今回は「日本を捨ててタイ就職を目指す」というテーマに沿って、私のリアルなタイ就職経験を含めて、自分なりの考えをまとめてみたいと思います。
日本は低賃金なのか
世界の平均年収ランキング 日本は何位?
まずは「本当に日本は低賃金なのか」というのを調べてみました。
- 1位 スイス
- 2位 アイスランド
- 3位 ルクセンブルク
- 4位 アメリカ
- 20位 韓国
- 21位 日本
参考サイト:
世界の平均年収 国別ランキング・推移 - GLOBAL NOTE
日本はお隣の韓国より平均年収が低く、21位という結果です。
これは4位のアメリカの平均年収77,463USDと比べて日本は34,393USDと、日本はアメリカの平均年収の約半分といえます。
バブル崩壊後、日本の賃金上昇率は伸び悩み、低迷している状態が続いています。
CECO加盟国の中でも日本は最下位グループ
OECD(経済協力開発機構)の加盟国であるヨーロッパ諸国を中心に、日本、アメリカなどの先進国38ヶ国の中でも、2021年のデータでは日本は24位と最下位グループとなっています。
ビックマック指数で日本はタイより低い水準
イギリスのエコノミスト誌が公表しているビックマック指数は、その名の通り、マクドナルドのビックマックの価格を世界比較したもの。
2021年7月のビックマック指数のデータによると、日本は3.74USD、タイは4.25USDと発展途上国であるタイより低く、これはシンガポールや韓国などアジア諸国の中でも低い水準となっていました。
しかしこれは最近の話ではなく、2015年以降からタイのビックマックの方が日本より高い状態が続いています。
タイの物価に対して、ビックマックが高額という事があるので、日本の賃金がタイを下回るということではないですが、先進国では、このビックマック指数がその国の賃金と比例しており、経済界ではよく使われる指標となっています。
日本の労働環境はどうなのか
次は日本の労働環境がどうなのか、を見ていきたいと思います。
これに関しては、最近のニュースで、日本のGDP(国内総生産) がドイツに抜かれて4位に転落した、という発表があました。
ドイツの労働時間と日本の労働時間を比較すると、どうなんでしょうか。
労働時間が圧倒的に短いドイツにGDP3位の座を奪われる
ドイツといえば、ベンツやBMWなど自動車産業をはじめとした「ものづくり大国」として有名です。
日本もものづくりは得意な国ですが、その労働時間は圧倒的に日本の方が長い。
2022年のデータによるとドイツの一人あたりの年間労働時間は1,341時間それに対して日本は1,607時間となっていて、その差は266時間にもなります。
参考サイト:
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/hours-worked-japanese-version.htm
GDPがドイツに抜かれるという件に関しては、経済界でも色々な意見が飛びかっていますが、結果的にはドイツが短時間労働でも、国内総生産で世界第3位に就ける、という事実は変わりません。
ですが、世界の年間労働時間平均は2021年のデータでは1,761時間となっており、日本が特に労働時間が長い、というわけではありません。
参考サイト:
https://www.wel-knowledge.com/article/diversity/a328#link04
日本人がタイで働くとどうなるのか
さて次からはこの記事の本題に入っていきます。
私は今現在、バンコクの日系企業で現地採用として働いています。
在タイ12年目で3社目の会社で働いていますが、それぞれの会社について、給料面や職種など、私の経歴を含めたリアルなタイ就職体験をお伝えしています。