猫のように暮らしタイ

タイでの「暮らしを愉しむ」ささやかな私の日常を猫のように気ままに綴っていきます。

【博物館】ジム・トンプソンの家に行ってきた

8月が過ぎ、夏も終わりましたね。
とはいえタイは一年中夏なので季節感は0です。日本にいた時は、冬の寒さが苦手で「一年中暑ければいいのに!」なんて思ってましたけど、実際は、やっぱり四季のある日本は、その時々の旬の食べ物や行楽を楽しめるので、四季があるって素晴らしいことだな、って思うようになりました。無いものねだりってやつです。これから日本は秋。私は秋が一番好きな季節だったので羨ましく思います。秋で思い浮かぶことは秋刀魚、ビール、読書!日本在住の人は思う存分秋を堪能できていいなぁ。

そして気づいたら、8月はブログを一回しか更新できませんでした。
自分のブログを読み直してみて感じたのは、もう少しオリジナリティを出したい、ということ。ただ単にお店等の紹介ならば、ネットにいくらでも転がっている情報ですよね。その情報を分かりやすく、でも自分なりのオリジナルを出すにはどうしたらいいの?ってことで悩んで書けませんでした。このブログを読んでもらっている方に、単なる情報収集のためだけではなく、なんというか読み物的に読んでもらうにはどうしたらいいのかと自問自答を繰り返してしまっていましたー。その疑問はまだ解決できていませんが・・・それでも9月はもう少し更新していきたいな、と思っています。

前置きが長くなってしまいましたが、昨日、ずっと行ってみたかった博物館に行って来てとても良かったので紹介したいと思います◎

ジム・トンプソンの家

JIM THOMPSON House Museum ジム・トンプソンの家

ジムトンプソンは、タイシルクの名を世界に広めたアメリカ人です。この人がいなかったら、ここまで「タイシルク」が立派なブランドとして扱われていなかったのではないでしょうか。その、ジムトンプソンが、1967年にマレーシアのキャメロン高原で休暇中に謎の失踪をとげるまで実際に住んでいた家が博物館として公開されています。

ジム・トンプソンは、第二次世界大戦前までは建築家だったそうです。その後アメリカ陸軍に志願してヨーロッパで従軍、戦争終了間際にタイに派遣され、そのまま第二次世界大戦が終わった後もタイに永住したそうです。彼はタイのシルクに興味を持ち、もともと建築家でしたし、デザイナーとしての才能を十分に発揮し、プリント模様のシルクを生み出し、今でも世界中の多くの人々を魅了するタイシルクブランドになったわけです。

場所は、BTSナショナルスタジアム駅1番出口を降ります。降りてきたのとは逆方向に直進し、Soi Kasemsan 2を右折。そのままソイの奥まで行くと、左手にこのジムトンプソンの家の入口が見えてきます。徒歩で10分弱ほどでしょうか。このソイ・カセムセン2の入口でジムトンプソンの家の無料送迎トゥクトゥクが頻繁に往復しているので便利です。

ジム・トンプソンの家

こんな感じのおしゃれなトゥクトゥクです。

単純な道のりですし、大きな看板もあり、たくさんの外国人がジムトンプソンハウスを目指して歩いていたので迷うことは無いと思います。

ジムトンプソンの家

入口を入るとたくさんの緑が生い茂り、タイの昔の高床式住居が現れて、ここだけバンコクではない、どこか田舎のリゾート地のような雰囲気です。

右手にチケット売り場があるのでそこで入場料を支払います。入場料は大人150バーツ、子供100バーツ。
敷地内は縦長になっていて手前には、ジムトンプソンのショップ(服飾雑貨のみの販売で、ジムトンプソンのオーガニック食品の販売はありませんでした)、カフェレストランがあり、そちらのみの利用の場合は入場料を払う必要はありません。一番奥に、ジムトンプソンの実際に住んでいた家とガーデンがあり、そこに入る時にチケット提示を求められます。

ジム・トンプソンの家

こちらとレシートがチケット代わりになります。赤ペンで時間が書かれていますが、これはガイドの始まる時刻です。ガイドを頼まないと家の中には入れないので、ぜひ受付しましょう。ガイド受付は、入場料支払いの受付とは別に、敷地奥にある、ジムトンプソンの家の前にあります。
日本語、英語、タイ語、中国語のガイドがありました。日本語ガイドがあるなんて嬉しいです。毎日日本語ガイドはあり、毎週火曜日の午前中には日本人のボランティアの方がガイドしてくれます。(それ以外はタイ人の日本語ガイドさん)
私達は受付を済ませて20分後の日本語ガイドに参加しました。頻繁に日本語ガイドはあるようなのでとてもありがたいです。
ガイドの所要時間は30分ほどでした。

ジム・トンプソンの家

ジム・トンプソンの家

ジムトンプソンのショップの前では、実際に蚕の繭玉からシルク糸を紡ぐ作業が見れます。この日は民族衣装をまとったかわいいお姉さんがその実演をしてくれていました。細くて繊細、豊かな光沢のあるジムトンプソンのタイシルク製品はこうやって手作業で一から作られているのです。実際に見てみると、私もいくつか持っているジムトンプソン製品に愛着が湧いてきます。

このミュージアムでは、タイシルクのことや、そのほかのジムトンプソンのオーガニック食品のことよりも、ジムトンプソン自身の事や、彼が収集していた東南アジアの骨董品、そして家の建築様式にスポットが当てられていますので、製品に興味がある方は、毎年年末から期間限定で一般公開される、ジムトンプソン・ファームに行くことをおすすめします◎

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ジム・トンプソンの家

ジム・トンプソンの家

そして敷地内の奥にあるこちらがジムトンプソンの家です。
これらのタイの古い建築様式を取り入れた家は、チーク材でできていて、6軒の家を集めてつくられたそうです。家の大部分は100年~200年経っていて、昔のタイの首都であったアユタヤから船で運んで来たそうです。

アユタヤから船で運んでくるなんてすごい拘りが強いですよね、だからこそジムトンプソンのタイシルクもここまで有名になったんでしょう。
家は、大まかな枠組みはタイの昔の建築様式ですが、アメリカ人である彼の建築家としてのアイディアが所々にミックスされていて、そうゆうのもガイドさんに紹介してもらえますので家の中もとても見応えがあります。

ジム・トンプソンの家

ガイドが始まってまず紹介されたのがこちら。チーク材でできた木彫りの扉です。チーク材の家具ってどっしりしていて重厚感がありとても高価ですけど、古くからのものがいまだにこうやって残っているんだから、納得です。そしてその両サイドにあるのは日本で言う狛犬。家内安全や魔よけのような意味でタイではよく門の両サイドに置かれています。

ジム・トンプソンの家

こちら版画だそうです。これをシルクにプリントして使っていたそうです。鯉が描かれていて和風な模様ですよね。
近くでじっくり見れるのですが、鯉の模様等とても繊細に彫られていました。

ジム・トンプソンの家

版画の下には中国で探してきた金魚鉢。欠け、割れを修復している跡があります。ジムトンプソンがいかにアジアの骨董品を愛していたかがわかります。

さて、ここから家の中に入っていくわけですが、ここからは撮影禁止です。
文章のみでざっくり説明すると、タイはもちろんミャンマーや中国などアジアの骨董品の数々が、玄関、リビング、キッチン、寝室の至るところにコレクションされています。そしてもちろん全てそれらはジムトンプソン本人が実際にその地に赴き、見て選んで収集したものです。これはまた後で紹介しますが、壁にはタイの何百年も昔に描かれた絵がたくさん掛けられていたのが印象的でした。キッチンには王室で今でも使われている金を施したベンジャロン焼きの器が展示されてあったり、オープンエアーになっているリビングには日本の伊万里焼の骨董品があったりと、本当にたくさんの骨董品のコレクションがあり、それをガイドさんが歴史とともに説明していってくれます。また、タイの古くからの建築様式と、ジムトンプソンのアイディアでプラスされたもの、例えば床の一部はヨーロッパから取り寄せた大理石であったり、チーク材の壁の模様のことについても説明してくれるので、おもしろくてとても見応えがあり、あっという間の30分でした。

jim-thompson

そして家の外の庭には、離れとして使用人と庭師の家があり、そこも骨董品が展示されていました。当時は4人の庭師がこの庭を手入れしていたそうです。そして家のすぐそばを流れる運河の向こう側には、ジムトンプソンの工場があったそうです。(現在は東北地方のコラートにあります)

ジム・トンプソンの家

かつての庭師の家の中です。

ジム・トンプソンの家

この絵はコットンに描かれていて、淵はシルクです。これが大小さまざまなサイズで家のいたるところに飾ってありました。この写真の絵はしっかり絵柄がわかるので比較的年数が若いものだと思いますが、家の中に飾られていた大きな掛け軸の絵は何百年も前のもので、もう絵柄がわからなくなっているものもあり歴史を感じました。

 

ジム・トンプソンの家

最後に併設のカフェで一休みしました。ここ入ってみたかったんです。ケーキやデザートの他にも、タイ料理メニューもありました。
屋内席もあります。屋外席は近くを流れる運河のドブ臭が若干します・・・でも外の方が開放的なので外席で鯉を眺めながらお茶してからジムトンプソンの家を後にしました。

本当に良かったので、ジム・トンプソン製品が好きな人、タイの建築様式、歴史に興味がある人には、バンコク観光スポットとしておすすめします。なんでもっと早く来なかったんだろう。場所的にもBTSから徒歩圏内、MBKセンターやサイアムも近いのでショッピングもでき、この辺で一日楽しめます。わたしも今度、日本から友達が観光で来たら連れて行きたいと思います☆

 

[JIM THOMPSON House Museum ジム・トンプソンの家]

住所:Rama1 Rd,Wang Mai, Pathum Wan, Bangkok 10330

電話:02-216-7368

営業時間:9:00-18:00

Webサイト:http://www.jimthompsonhouse.com/

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